赤レンガ庁舎

明治21年に竣工した北海道庁旧本庁舎は、札幌を象徴する近代建築の一つである。

赤レンガ庁舎の愛称で親しまれ、北海道開拓期の行政の中心として建てられた壮麗な建物だ。

建築様式はアメリカン・ネオ・バロック様式に分類される。

外壁には煉瓦が用いられ、窓上部にはアーチが設けられている。また屋根にはドーマー窓が並び、重厚な西洋建築の雰囲気を強く感じさせる。

煉瓦の積み方はフランス積み

これは誠之堂と同様の工法で、レンガの長手と小口を交互に配置することで、整然としたリズムを外壁に生み出している。

しかし、この建物で最も印象的なのは中央に立つ八角形の塔である。

実はこの塔、アメリカン・ネオ・バロック様式の典型とは言い難い要素だ。

というのも、竣工直前に近隣に建っていた開拓使札幌本庁舎が火災によって焼失してしまった。

この建物には象徴的な八角塔がそびえており、それを惜しんだ関係者たちが、急遽その意匠を取り入れる形で現在の塔が設けられたと言われている。

この逸話は、北海道庁旧本庁舎を単なる西洋様式建築以上の存在にしている。

つまりこの建物は、西洋建築の様式を基盤としながらも、北海道開拓の歴史や記憶を象徴する意匠を取り込んだ建築なのである。

赤レンガの重厚な外観にそびえる八角塔は、失われた建築への追憶と、新しい時代の象徴の両方を担っている。

まさに近代日本の都市形成と建築文化が交差する、非常に興味深い建築と言えるだろう。

白雉和京(しらきじ わきょう)

建築学生/建築学科2回生

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