私は建築学科に通う2回生です。
生まれてから今までの20年間、建築士や建築家たちに比べれば、圧倒的に建築物を見た数は少ないと思う。
しかし、それでも「建築とは何だろうか」という問いが、私の頭から離れない。
建築と建物──言葉の違い
建築は英語で architecture と書く。一方で、建物は building。
正直なところ、これまでの私の感覚では両者に大差はないように思えていた。
しかし、英語での意味を改めて考えると、architecture と building はまったく別物を指していることに気付く。
写真で考える「建築」と「建物」
私は、建築写真を「建築」と「建物」に分けてみた。
建築:安藤忠雄、フランク・ロイド・ライト、アントニ・ガウディなどが手掛けたもの。
建物:長屋、建売住宅など量産的なもの。
主観的で偏った分け方かもしれない。しかし実際に比較してみると、違いは明確だった。
建築に分類した写真には、ほとんど建築家の作品が占めていた。
そこには思想や哲学が緻密に落とし込まれており、まるで芸術作品を鑑賞しているかのような魅惑があった。
外観やディテールへのこだわりは徹底されており、同じ建築を再現することはほぼ不可能である。
一方、建物に分類した写真は、利益や効率、販売を最優先に設計された量産的なものが多かった。
機能性や住環境は確保されているものの、思想や哲学という“魂”のようなものはほとんど感じられない。
私の答え──建築と建物とは
ここまで考えて、私の中で「建築とは何か」の答えが見えてきた。
建築とは、法律の制約を受けながら、思想や哲学を形にして芸術作品として成立させる行為である。
建物は工期の短縮、低コスト化、効率化を重視したもので建築とは別の役割を持っている。
しかし、建築はそこに思想と哲学を吹き込み、見る者・使う者の心にまで影響を与える。
それこそが、建築の面白さであり、学ぶ価値であると私は考えている。
白雉和京(しらきじ わきょう)
建築学生/建築学科2回生